〜香りからはじまる、植物との対話〜
口に含ませた途端
ふわりとレモンの香りが
立ちのぼりました。
これは、京都・御菓子丸さんの
「鉱物の実」という名の琥珀糖。
その名のとおり、鉱物のような硬質な輝きと、
果実のような透明感をあわせもつ、
素敵なお菓子です。
この「鉱物の実」には、ひとつの物語が込められています。
それは──
お菓子のはじまりは、木の実や果実だったと言われています。
古代の“実”が、長い時を経て鉱物になり、
現代に発掘された──という、空想のものがたり。
そんな時空を超えたイメージから生まれた琥珀糖なのだそうです。
小さな結晶を、そっと黒文字でいただくと
シャリっとした歯ざわりのあとに、
レモンの爽やかさと
やわらかな甘さが広がり、
まるで“光”を味わっているかのような
感覚が訪れました。
植物の「実」と、鉱物という時間の結晶。
そこに香りの記憶が重なることで、
私たちは“植物の歴史と未来”を、
ひと粒の中に感じとることが
できるのかもしれません。
そしてそれは、
わたしたちボタニカルライフプランナーが
大切にしている
“植物を生活に取り入れて楽しむこと”
そのものでもあります。
・香りを感じる
・手でそっと触れる
・五感のすみずみに植物を通わす
こうした体験は、園芸やクラフトと同じように、
心の奥をほぐしてくれる植物の力です。
この「鉱物の実」からインスパイアされた
季節のクラフトや香りのワークショップを
形にしてみたい──
植物が語りかけてくるような
そんな一粒との出会いでした。